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プロローグ（青い麦の家の便り1996年1月号より） 作業所にネコがいます。 夏のある日、彼は突然そこにいて、野良猫のエサをあさっていました。 首根っこをつまんで追い出しても、すぐ走って戻って来ます。 何度やっても同じ・・・。 目つきが悪く逆三角形の目をしてこちらをにらんでいますが逃げようともしません。 しばらく放っておいたら何日たっても出ていきません。 作業所の皆にも食べ物を貰ったりで、どうも居心地が良いらしいのです。 そのうちに、急にニャーニャーと訴えが多くなり、すり寄ってくるようになりました。 体中カサブタのようなものができていて、お腹の辺りも熱い。 で、仕方なしに獣医さんへ連れていきました。 診断の結果、ダニの一種で体中「かいせん」とのこと。 注射をうたれ一鳴きして帰って来ました。 しかし、その後ますます衰弱し、一週間もしないうちに動けなくなり、箱の中で寝たきりになってしまいました。 食べ物も受け付けず、弱々しく鳴きながらやっとミルクを飲むのが精一杯、 呼吸が荒く、やせ衰えて、もう何日も持つまい、と誰もが思っていました。 トイレも鳴き方で判断して、庭の隅へ、でも夜は垂れ流しでウンチまみれ、そこにハエが、という始末。 二週間位そんな状態が続き、でも少しずつ、首をもたげ、前足で立つと回復し始めました。 動けるようになると、まだ後足がきかないのに、自力で這いずりながらトイレを済ませるようになりました。 そんなこともありましたが、その後、徐々に元気になり、歩けるようになりました。 食欲もだんだんに増して、体も大きくなって、 そうなると作業所の庭を走り回るようになるのにそれほど時間はかかりませんでした。 体の縞模様が、イノシシの子のうり坊のようだったので「うり」と名付けられたそのネコは、 今では作業所のアイドルのような存在になって皆に可愛がられています。 （実は、あとで、この模様は「アメリカンショートヘア」という血筋の猫だと獣医さんから知らされたのですが。） 三角だった目も、今ではまん丸になりました。 暖かい日には、作業所の庭を飛び回って、木に登ったりリスをからかったり、と遊び回っています。 「元気になったね。」とメンバーともども喜んでいます。 |
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寝姿が多いですが、寝て居るばかりではなく、近所を走りまわったり、活発に動いていました。 でも、麦に帰って来た時には、疲れてしまいました。 みんなの邪魔にならないように、静かにしていると何時の間にか、寝てしまいました。 「青い麦の家」に小さい時から仲間に入り、みんなの人気者だったウリです。 とても皆さんに可愛がってもらいました。 |